好きが高じて仕事へ。香りの一級品とその歴史に寄り添う“フランキンセンス”の伝道師

―『Nu』を立ち上げた経緯を教えてください。

横田さん:実は10代の頃から、雑貨店で販売されているスティックタイプのお香を自宅で焚くほど、香りが好きな少年でした。そんな私がフランキンセンスと出会ったのは、アメリカに住んでいた頃です。

横田さん:単純に良い香りだなと思い、塊(樹脂)になっているフランキンセンスを焚いていました。この頃はフランキンセンスの原料が樹脂だとも知らずに、香りを楽しむ目的で使っていましたね。

―そこから、どのようにビジネスへと発展していったんでしょうか?

横田さん:日本に帰国した後、フランキンセンスについて調べていたんです。そしたらカルチャースクールで、フランキンセンスを使用したワークショップが開催されることが分かり、参加してみたんです。するとそこでオマーン産のフランキンセンスと出会いまして。

横田さん:香りが一段と素晴らしく、初めてこれまでとのレベル差を感じました!その日は、このフランキンセンスが販売されていたので、購入して帰りましたね。

―そんなに香りに違いがあったんですか?

横田さん:これはもう香りを嗅いでいただくしかないんですが、これまでの物よりも圧倒的な違いを感じましたね。香りに幅も奥行きもありますし、毎日使いたい!絶対にこれを切らしたくないと思いました。

ーそれはすごいですね!

横田さん:はい!そこからもう、一気にのめり込んでしまいました。最初のうちはそのカルチャースクールでオマーン産のフランキンセンスを購入していたのですが、在庫がある時とない時があって。どうしても自宅で焚くフランキンセンスを切らしたくないという思いが強かったので、自分でインターネットを駆使して購入ルートを探しました。

横田さん:香料市場の写真を見たりしながら、産地の様子を知ることから始まり、価格の相場も知りたかったので、とにかく調べました。自分が使う分だけでも、実際に市場に行って買いたかったんです。

―ではその後、実際にオマーンの市場に足を運ばれたんですか?

横田さん:そうですね。実際に市場に行ってみて、本当に感動しました。最初のうちは、日本に持ち帰れる5kgまでを、買って帰りました。それを友人たちへ、お土産として配ったりもしていたのですが、感度が高い友人は非常に喜んでくれまして。この香りに共感してもらえたのが、私も嬉しかったです。

横田さん:そこで、一般の人が買えない貴重な品を、たくさんの方にお届けして喜んでいただけたらなと、ビジネスにすることを決めました。

ー素晴らしいですね!

横田さん:ありがとうございます。実際に弊社で取り扱っているフランキンセンスは、“ボスウェリア サクラ”という唯一無二の品種で、確かな品質を提供してくれる現地の問屋さんから仕入れていますので、香りには自信があります。

横田さん:合成香料が苦手、使いたくないという人から、香り好きな人、旅行好きな人、多忙な人に、ぜひお使いいただきたいです。

―ヨガや瞑想を取り入れている人にも良さそうですよね。

横田さん:はい、まさにピッタリだと思います。実はこのフランキンセンスは、世界最古の香料なんです。聖書に登場する樹木としても知られています。古代エジプトではミイラ作りの防腐剤として使用されていましたし、ドイツでは教会の礼拝で、バチカンでは振り香炉に使用されており、あらゆる宗教儀式の際、祭壇で焚かれています。

横田さん:アラビア、インド、中国でも使用され、日本でも江戸時代に、歯磨き粉として売られていた歴史もあるんですよ。また、産地でもあるオマーンでは、他のアロマとフランキンセンスを各家庭で独自にブレンドし、毎日焚く習慣もあります。

ーまるで世界旅行している気分になってきました。こんなに世界各地で古くから使用されてきた歴史があるフランキンセンスが、現代でも、こうして受け継がれてきていることを考えると、なんだかロマンに溢れていますね

横田さん:そうですね。とにかくこの香りは高揚感とリラックス感といった、相反する部分にアプローチしてくれます。世界に類をみない麗しい香りを、皆さんに堪能していただきたいです。

(おわり)

今回取材・執筆をしたのはこの方!

美容研究家・美容ライター 星 ゆうこ

美容専門ライターとして、心理学を活かした執筆を中心に活動。女性向け美容Webマガジンや企業の季刊誌、美容サイト、美容通販サイト、カタログなどでの商品説明や成分解説の執筆、プレスリリースの代行執筆を手がけている。さらに、化粧品の企画・開発、コンサルティング、イベント登壇、コメント寄稿など、美容に関する幅広いご依頼に対応。専門知識と豊富な経験を活かし、美容業界の発展に貢献している。